FIELD REPORT 105
 設計者からのメッセージ
フローラハイム(埼玉県所沢市)
設計者:小塚建築設計 小塚 洋一 氏
構造:RC造
外壁:ラムダ25ヨコタイル下地
竣工:平成15年3月
100年耐久の建物として街づくりに貢献したいというオーナー様の想いを実現
このマンションは、計画当初より「100年住み続けられる建物として外断熱構造を基本に設計・施工し、街づくりの役に立ちたい」というオーナー様のご意向がありました。それまでは、外断熱での設計は手がけたことがなく、知識としては、市議会主催の講演会に出席したぐらいでした。プランを進めながら、改めて外断熱の勉強をしていくにつれ、多くのメリットを理解しました。外断熱の採用は、建物の断熱性を高め、結露を防止し、カビ等の発生を抑え、コンクリート躯体の耐久性を向上させるなど、建物にとってはいい事ばかりです。しかも、それによって化石エネルギーの消費を抑えるだけではなく、躯体の耐久性向上により建築廃材も減少させるなど、環境に貢献できるのです。外断熱は、スクラップ&ビルドという日本の建物の思想を変えるものだと思いました。しかし、設計仲間や施工会社に聞いても、首都圏ではなかなか現実の仕事としては情報をもらえませんでした。公共建物では外断熱の採用が増えているという事は判りましたが、民間、それもマンションではまだまだ少数派。そんな中でも、外断熱採用への考え方は少しも揺るぎませんでした。
設計にあたり苦心したのは、外断熱構造であり、かつタイル外観という事です。今まではコンクリートに直貼り工法でタイルを貼ってきました。しかし、外断熱ですからコンクリートの外側に断熱材を貼り、タイルを貼らなくてはなりません。いくつかの工法も検討しましたが、外断熱でタイル貼りという施工例は少ないようで、タイルを貼ることには不安がありました。入札直前、昭和電工建材さん販売施工店の方と知り合い、金物下地+ラムダタイル下地板の外断熱通気構法によるタイル張り施工実績をご紹介していただき、この構法で大丈夫なんだと確信。安心して設計プランを提案することができました。
オーナー様が入居者のためにと省エネから始まり、近隣説明にも積極的に参加し、建築費も環境をも含めた価値を容認するなど、建築や街づくりに対する情熱が、このすばらしい建物を生んだのではないでしょうか。設計と工事の2年間、建築不況の中で幸せな時を過ごさせていただき感謝しています。これからも外断熱の良さを皆さんに知っていただく為に頑張りたいと思います。
(ラムダニュース 2003 VOL.76 より抜粋)